ZT facebook女子とmixi女子の違いとは? -データからみるペルソナ図鑑
facebook女子ってどんなひと?-データから見るペルソナ図鑑
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noteのユーザーの違いについて書かせていただいたブログが多くの方に読んでいただけたようなので、これをシリーズ化してみようと考えました。題して「データから見るペルソナ図鑑」...頑張ってみます。
【ペルソナって何だっけ?】
前回のブログでマーケティングは「戦争型」から「恋愛型」へと舵を切ったことはお伝えしました。消費者理解のために、様々な調査、考察を続けることが重要です。そして情報を整理し、まとめ、関係者で共有する必要があります。そのための有効なツールが「ペルソナ」です。
「ペルソナ」は簡単に言うと、顧客モデルのことです。実在する人々のデータを元に作り上げられた架空の人物です。商品開発を含めたマーケティングの全プロセスで「ペルソナ」を使用することで、プロセスの合理化、チームの協調性、意志決定の精度の向上などが望めます。ジョン S.プルーイット/タマラ・アドリン著「ペルソナ戦略」によれば、以下の点で活用メリットがあります。
- ペルソナはユーザーに関する仮説と知識を明らかにし、ユーザーについて語るための共通言語を作り上げることを可能にする。
- ペルソナにより、特定のユーザーに焦点を当てた様々な設計が行え、よりよい決定を下せるようになる。
- ペルソナは消費者への興味と共感を呼び起こし、他の消費者データでは表現できない方法で、マーケティングのチームが消費者に関われるようになる。
図にあるように、消費者に関する情報は「ペルソナ(ひとりの人物像)」に統合されて行きます。その人物の行動、嗜好、ライフスタイルと、様々な消費者情報が「ペルソナ」に埋め込まれて行くのです。
ペルソナの例
でも、今回のペルソナ図鑑はそこまでするつもりはありません。「クラウド型消費者分析ツール
ぺるそね」を使った、簡易的なペルソナのご紹介にとどめておきます。「こんな人、居るよね~」というくらいの精度だと思っていただけるとありがたいです。その後の肉付けはご自分でやってみると面白いと思います。具体的にペルソナを用いたサービス開発のお話しを、手前味噌ですが、私が所属する会社のブログ「Think Social」で紹介していますので、ご興味のある方はそちらをご参照下さい。
【facebook女子を調べてみる】
今や世界のインターネットユーザーの半数以上にまで拡大したfacebook。IPOを申請したことで話題になっています。日本でも昨年くらいからユーザーが拡大し、知名度も上がってきました。特に日本は他国に対して普及率が低いので、今年は大攻勢をかけるそうです。「ぺるそね」の回答者29,093人のなかに、facebookユーザーは2,813人居ます。そのうち女性は1,402人。女性の使用率は9%です(2011年9月調査時)。
平均年齢は37.9歳。女性全体の平均年齢が42.7歳ですから、かなり若いです。20代が34.2%、30代まで含めると55.6%と過半数を超えます。既婚率も全体と比較し低いですが(47.6%)、その割には平均世帯年収は高めです。消費行動や情報行動の特徴を見ると、「できるだけ人とは違うものを持ちたいと思う」「周囲からのアドバイスを求められることがよくある」という傾向が強く、「チャレンジ精神のある」「独創的な」と思われたいと考えている人たちが多いようです。
「ぺるそね」でfacebook利用者(女性)を検索した画面
趣味は「海外旅行」と答えている人が全体と比較し2.1倍、「写真」や「スポーツ」も比較的高めです。また興味関心ごとでは「語学」が2.4倍と突出しており、「デザイン」「アート」などの関心も高いようです。そうそう、「ビジネス」への関心も高く、スポーツも「ジョギング」や「ゴルフ」、「サイクリング」などが好まれています。また、飲食店での飲酒状況も高く、人づきあいにも積極的な姿が見えます。
ここまで見てみると「facebook女子」の皆さんは、「グローバル志向が強く、アクティブなライフスタイルを送っており、自分自身のセンスや能力を磨くことに熱心で、周囲の人たちに頼られる存在の人」という姿が浮かんできますね。
【どのようなブランドを好んでいる?】
女性の嗜好傾向を見ていく場合、ファッション系から入っていくのがいいと思います。facebook女子のファッションブランドの好みは「ティファニー」「H&M」「ザラ」「シャネル」「クロエ」「エルメス」などが上がってきます。それらの支持率は女性全体よりも1.5倍~2.2倍高くなっています。この傾向を見ていくと、「伝統のあるホンモノと流行をうまくミックスし、自分なりのセンスで身につけていく人たち」かもしれません。実際に購入している服も「H&M」や「ザラ」「GAP」等が多いのが特徴です。携帯電話は「シャープ」が最も多いですが、「iPhone」二番目に多く、全体と比較し3倍という所有率となっています。面白いのがお菓子の「ブルボン」が好きな人が突出して多かったのですが、理由はわかりません。このあたりをペルソナ・イラストにまとめているのでご参照下さい。
facebook女子のペルソナ・イラスト
調査時期が2011年9月ということもあり、4ヶ月間でかなり動きはあると思いますが、データからfacebook女子について見てきました。もちろんfacebookを利用している女性が、1タイプしか居ないわけはありません。ここでは、象徴的な人物像を抽出したとご理解下さい(少々、ステレオタイプ過ぎるかな?と思いつつ...)。まあ、賛否両論あるでしょうが、一つの見方と思っていただけるとありがたいです。で、次回はmixi女子に迫りたいと思いますのでお楽しみに。
mixi女子ってどんな人? -データからみるペルソナ図鑑
前回に引き続き、ソーシャルメディアユーザーについて調べてみたいと思います。今回は「mixi女子」です。
【mixi女子を「ぺるそね」で調べてみる】
日本のソーシャルメディアの草分け「mixi」。Twitter、facebookの大躍進の中で、キッチリと存在感を示しています。「クラウド型消費者分析ツール ぺるそね」で調べてみると全体の29,093人の内、mixiを使っている人は7,287人で25%、そのうち女性は4,299人で女性の27.5%となります。「ぺるそね」のデータの中では唯一、女性の方が多いSNSです。(ちなみに男性のmixi使用率は22.2%でした)Twitterの猛追を受けながらも日本のSNSのトップはmixiという結果でした。(2011年9月調査時)
SNSの男女別利用状況
では、この4,299名の方達を見ていきたいと思います。平均年齢は34.7歳で全体的には若く、約4割が20代です。当然、既婚率は低く、平均世帯年収も少し低めです。消費行動の特徴は、「売れ筋ランキングを参考にして買い物をすることが多く」「自分が周囲にどのように思われているか気になる」という傾向が強いようです。思われたいイメージは「斬新な」とか「独創的な」という傾向も強く出ていますが、「楽しい」や「ワクワクさせる」などの項目も高くなっています。
関心が高いのは「携帯電話」で、「ケータイサイト」から情報を得る人が多いようです。また、「雑貨・インテリアショップ」に行く確率も高く、「恋愛・結婚」にも興味が高い層です。「ローリーズファーム」を好み、「iPod nano」で音楽を聴き、「赤リンゴ青リンゴ」などの果汁系飲料が好みのようです。
mixi女子の検索結果画面
【mixi女子ってかなりフツーな女性達?】
職業的には専業主婦が多く(31.3%)次いで会社員(21.0%)パート・アルバイト(16.4%)大学生(9.3%)と続きます。趣味を見てみると、「漫画」「カラオケ」「写真」「テレビゲーム」が女性全体と比較し1.5〜1.6倍。まあ、この辺りは年齢相関もあるのでしょうが、かなりフツーな感じがします。「恋愛・結婚」への興味が高いのは未婚者が多いからということになるのでしょうがこれもフツーかな?。あと、「ライブ・イベント」への興味が高いのも目を引きます。
職業
情報の入手経路を見てみると、PCサイト、テレビ、家族・友人・知人の口コミと続きます。また面白いことに、新聞から情報を得る人よりも雑誌から得る人の方が多く、ケータイサイトから情報を得ている人が女性全体と比較し1.8倍くらい居るのも特徴です。
「売れ筋ランキングを買い物の際に参考にする」「自分が回りからどう思われているのかを気になる」というあたりも興味深いですね。もう一つ特徴として「周囲から一目置かれたい」という項目も全体と比較し高くなっていることを見ても、意外と他者というものを意識しているようです。つまり、自分だけが回りから浮いてしまうことを極力避けたい、という心理が垣間見えてきます。ちょっとフォロワー的な存在なのかもしれません。
【mixi女子の感性傾向は?】
どんなところに買い物に行っているかというと、「イオンモール」「三井アウトレットパーク」などのショッピングモールや「丸井」「PARCO」などが特徴です。また、「フランフラン」「プラザ」「ヴィレッジヴァンガード」などのショップもお気に入りです。
好きな家具・インテリア系のショップ
好きなファッションブランドは「アースミュージックアンドエコロジー」「ローリーズファーム」「ナチュラルビューティーベーシック」と、若い女性の人気のブランドがチョイスされています(ユニクロは別格ですが、みんな持ってるので、それほど差がありません)。これらのブランドのポジショニングマップを見ると、年齢層が低く、世帯年収も多くないエリアに集まっています。
購入したお気に入りの服のブランド
女性用ファッションブランドのポジショニングマップ
バッグは「サマンサタバサ」、アクセサリーは「4℃」「アナスイ」「アガット」などが人気です。これを見る限り、普通の生活感覚を持った女の子っぽいスタイルを好むようです。読まれている雑誌は「ノンノ」「スウィート」「姉キャン」「スプリング」などが女性全体の2倍以上の購入率となっています。このあたりのイメージをペルソナ・イラストにしたのでご参照下さい。
面白いところでは、果汁系飲料のうち、特に果物のジュースが好きで、「ミニッツメイド」「トロピカーナ」「ウェルチ」なども好みます。この流れからか、お酒もチューハイ・カクテル系がよく飲まれているようです。中でも、サントリーの「ほろよい」がお気に入りのようで、女性全体と比較し1.5倍ほど選ばれています。最近のお酒メーカーのターゲット、若い女性の「お一人様家飲み」層の中心にいる人たちかも知れません。
ペルソナ・イラスト
次回は「facebook女子」vs「mixi女子」のデータ比較からそれぞれの特徴を浮き彫りにしてみたいと思います。
facebook女子とmixi女子の違いとは? -データからみるペルソナ図鑑
ここまでfacebookの女性ユーザーとmixiの女性ユーザーの特徴を見てきましたが、まとめとして、この二つのユーザーを クラウド型消費者分析ツール「ぺるそね」* のアンケートデータから比較したいと思います。
【facebook女子とmixi女子を比較してみる】
年齢的にはfacebook女子の方が年上です。mixi女子の平均が34.7歳に対し、facebook女子は39.4歳。約5歳も上でした。mixi女子は34歳までで57.9%に達しており、facebook女子の48.4%を大きく上回っています。つまり、facebookの方が幅広い年代の女性に利用されていることがわかります。
facebook女子の平均年齢は高いのですが、既婚率は10%ほど低くなっており、ひとり暮らしの率も25%ほど多くなっています。また、mixi女子は専業主婦、パート・アルバイトが比較的多くなっており、facebook女子の方が高学歴という特徴があります。
年齢層の比較
以下facebook女子とmixi女子の比較をまとめてみると
- 「デパート・百貨店」でよく買い物をする人は、facebook女子の方が1.3倍多い
- 趣味が「海外旅行」と答えている人は、facebook女子の方が1.9倍多い
- 趣味が「漫画」「カラオケ」は、mixi女子の方が1.2~1.3倍多い
- facebook女子の興味関心事は「語学」「ワイン・ウィスキー・洋酒」「ビジネス」「生涯学習」などが特徴的で、mixi女子に比較し1.5~1.8倍ほど多い
- mixi女子の興味関心事は「TV・番組・有名人」「アニメ・漫画」「ゲーム」「子育て」などが特徴的で、facebook女子に比較し1.2~1.3倍多い
- スポーツに対しアクティブなのはfacebook女子で「ジョギング」「水泳」「ゴルフ」「サイクリング」などがmixi女子と比較し1.8~2倍多い
- mixi女子はスポーツをしていない人が半数以上(55.8%)でfacebook女子の1.3倍多い
facebook女子は「グローバル志向が強く、アクティブなライフスタイルを送っており、自分自身のセンスや能力を磨くことに熱心で、周囲の人たちに頼られる存在の人」で「先端を走りたいと思っているアーリーアダプター層」と考えられます。
それに対し、mixi女子は「自分の生活の場を大切にしたいと考えており、周囲の人たちとの協調性を重視しているタイプで、場の空気を読み気配りできる人」で「時代の流れに乗り遅れないように考えているフォロワー層」と考えられます。
【消費行動の差異】
facebook女子の方がミネラルウォーターの消費が多いようです。特に「ボルヴィック」「クリスタルガイザー」「エビアン」「コントレックス」「ペリエ」などがmixi女子に比較し1.5〜1.8倍選ばれています。
飲酒の状況を見てみると、飲まない人の割合はさほど変わりませんが、facebook女子の方が頻度が高いようです。週一回以上家で飲む人の割合はfacebook女子が44.0%、mixi女子は35.4%。月一回以上外で飲む人の割合はfacebook女子が47.7%、mixi女子が35.1%と、facebook女子の方がお酒をよく飲んでいる様子が伝わってきます。
facebook女子はビール好きの人が多いようです。「スーパードライ」「一番搾り」「ヱビスビール」などを中心に、ビール全体の選択率でmixi女子を大きく上回っています。また、日本酒、焼酎も全体の選択率が比較的高く、男性と変わらないお酒の飲み方をしている人が多そうです。
一方mixi女子はチューハイ・カクテル好きです。「ほろよい」「カクテルパートナー」「カクテルカロリ」と言った甘いフルーティーなお酒を好んでおり、最近増加してきたと言われている「お一人様家飲み」層の中心にいる人たちと言えます。
面白いところではmixi女子は無印良品がお気に入りで、雑貨、文具、化粧品と多岐にわたってfacebook女子に比較し支持率が高くなっています。また、好きなキャラクターの中で、「リラックマ」と「コリラックマ」の支持が高くなっています。facebook女子と比較し、1.4〜1.5倍多くなっており、ゆるキャラ好きの一面を見せています。
mixi女子 vs
Facebook女子の比較イラスト
【mixiとfacebookについての考察】
さて、ここから先は私の勝手な考察をお許し下さい。先日中村伊知哉さんがTwitterで「今のfacebookユーザーの多くはアーリーアダプターではなくて、mixi乗り遅れのレイトアダプターだろうと思います」とおっしゃっていました。私もある意味同感です。最近facebookからSNSを利用し始めた人は確かにそうかもしれません。
調査時期(2011年9月)を踏まえ、facebook女子とmixi女子の比較をして思ったことは、mixiは極めてパーソナルなコミュニティを形成しているのに対し、当初のfacebookはビジネスまで含めたパブリックなコミュニティを形成しているのではないかということです。ビジネスを意識しているのであれば実名を公開することにもそれほど抵抗感はないかもしれません。この時期facebookを利用していた女性たちはこの「パブリック志向」が強く、早い時期からmixiからfacebookに乗り換えた(あるいは併用している)人たちと考えられないでしょうか。その意味ではアーリーアダプターだと考えられます。
昨年暮れにLinkedInが日本に上陸しました。おおざっぱに言うとアメリカではパーソナルコミュニティはfacebook、ビジネスコミュニティはLinkedInというポジションになっています。日本ではパーソナルコミュニティがmixi、ビジネス(パブリック)コミュニティがfacebookというポジションだとすると、LinkedInの日本上陸によってこのポジションに大きな変化が生じてくることが予想されます。
facebookにとって日本はNo.1ソーシャルメディアになれていない数少ない国のひとつです。今年の大攻勢は間違いないでしょう。さてそうなると、mixiはfacebookとの差異化をどう打ち出してくるのか?「実名」か「ハンドルネーム」かの違い程度ではない、もっと大きなポジショニングの変更が求められるかも知れません。この市場、伸びているだけに、目が離せなくなりそうです。
*データは全て2011年9月「ぺるそね」調べ。n=29,093
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